さきほど、NHKのクローズアップ現代で、
「がんワクチン」について特集していました。
がん細胞の周りにあるペプチド。
そのペプチドをやっつければ、がん細胞が死滅する。
しかし、自分の体内にあるものなので、
リンパ球は悪いものであると認識していなので、
やっつけてくれない。
そこで、体内のリンパ球に対して、
そのペプチドは悪いものだからやっつけるようにと、
ワクチンでペプチドと同じ形のものを外から体内に入れて、
リンパ球がペプチドは悪いものであるという認識をさせて、
がん細胞の周りにあるペプチドをやっつけて、
がん細胞を死滅させるというのが、
がんワクチンなのだそうだ。
副作用もなく、効果もあるのであれば、夢のようながん治療となる。
日本では、がんワクチンの研究や臨床試験をしている拠点病院がいくつかあるが、
承認にこぎつけるまでには、3段階の試験が必要で、
しかも、数十億という、莫大な費用がかかり、
なかなか思うように進まないのに比べ、
アメリカでは、国や民間団体からの資金が数千億という規模で、
がんワクチンの研究に支援をしているので、
すでに400種類のがんワクチンの開発や臨床試験がすすめられているという。
日本では、すい臓がんについて、がんワクチンの研究が、
第3段階まできていて、承認まであと少しというがんワクチンもあるとか。
しかし、ペプチドの形は、がんによって、いろいろな形があり、
ありとあらゆるがんに対してのがんワクチンを開発するとなると、
それなりの資金が必要になるらしいし、
なかなか簡単には進まないのが現状のようだ。
じゃあ、アメリカで開発されたワクチンを日本で使えるかというと、
そうでもないらしい。
遺伝子学的に、ペプチドの形は、欧米の人と、アジアの人では、
形が違うということが、わかっているらしく、
米国で開発されたがんワクチンを使ったとしても、
日本人に効果があるかというと、期待できないらしい。
なので、自国でがんワクチンを研究開発していかないと、ダメということらしい。
たとえ、がんワクチンの臨床試験をしている病院があるとしても、
アメリカではインターネットで検索すればパッと情報がわかるようになっているらしいが、
日本ではなかなか情報が埋もれていて分からないのも現状だとか。
ちなみに、今回番組で紹介されていたのは、
和歌山と札幌の病院。
和歌山の病院は、すい臓がんに対するがんワクチンの臨床試験をしているという話、
札幌の病院は、がんワクチンを研究開発している最中で、
第1段階をクリアするのに、二億がかかっており、
第2段階を試算したときに、20億かかると出て、
資金をどうしたものかと頭を悩ませているという現状がレポートされていた。
忘れられたがんである肉腫は、やっと国立がんセンターに、
肉腫(サルコーマ)診療グループが誕生して、
なんとか忘れられていないがんの仲間入りをしたところで、
本格的な研究はまだまだ先の話。
アメリカのように、日本もがん対策に政府が動いて資金が動いてくれれば、
日本国内でのがんワクチン研究開発も、
アメリカ並みに進んでいくんだろうけどねぇ。。。
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